きみは風のようだった
第1章

大会2日目

゚・*:.。. 入野 爽来 said.。.:*・゜







-パンッ-


この音を合図にいっせいに走り出す。

風になる感覚が私は好き。




「1着4レーン、島乃 佳笑(シマノ カエ)さん。
2着5レーン、入野 爽来(シオノ ソラノ)さん。」



「ふぅ~おつかれ!そら!」


「やっぱり佳笑には勝てないや」


「たった0.1秒差だけどね~」


「その0.1が結構大きいんだけどね?」




私たちがゴールしたらいつも同じような会話を毎回している。



どんなに頑張っても0.1の差が縮まらない。
これは昔からそう。



私がのびると佳笑ものびるし、
私が落ちるとなぜか佳笑もおちる。



佳笑いわく、私がスピードにのらないと
佳笑ものらないそう。



佳笑と私はいつも最終組だから同じ組になる。


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