【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「おはよう。よかった起きてくれて。意識を失う様に眠ったから心配した」
「おはようございます。だって芳也さんがあんなに……」
言葉にすることができずジッと睨むように言った麻耶に、イジワルそうな微笑みをした後、
「麻耶から、ねだって欲しかった」
その言葉に麻耶は真っ赤になり、シーツで顔を隠した。
「シャワー浴びてきます」
時計をチラリとみて言った麻耶に、
「一緒に入ろ」
そう言って芳也はシーツごと、麻耶を抱き上げると、楽しそうにバスルームに向かった。
「え?嫌!無理!そんなの!」
慌ててジタバタする麻耶に、無理やりキスで言葉を封じると芳也はバスルームに入り、一気にシャワーを麻耶にかけた。

「今更だろ?」
「芳也さん。やっぱりイジワル」
諦めたようにじろりと見た麻耶に、
「そんなこと知ってるだろ」
クックッと肩を揺らすと、二人でシャワーを浴びた。

「今度はゆっくり湯船に入ろうな。夜景きれいだから一緒に見よう」
「はい……」
「素直だな」
「あれ?つい……」
二人は顔を見合わせて笑いあった。


(こんな幸せがずっと続けばいい……)

麻耶は祈るように、芳也の顔を見つめた。
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