【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
カーッと頬が一気に熱くなるのを感じて麻耶は慌てて、
「行き倒れないためにも自分の部屋に行きます!今日は迷惑はかけられない」
その言葉に、芳也は笑いながら、
「じゃあ、今日はお詫びだ」
「え?」
そう言うと、そっと麻耶は芳也に抱きしめられていた。

「ちょ……社長?」
「大切な物がなくなった時は、誰かに甘えたいだろ?甘やかしてやる。その代り、また明日から働けよ」
耳元で優しくささやかれ、酒のせいか、この状況のせいかわからないが、心臓の音が煩く麻耶の耳に響いた。

(イジワルなのか、優しいのか……どっちよ……)

そんな事を思いながら、一気に飲んだアルコールがまわり、芳也の腕があたたくて、久しぶりの熱に体を預けるとそのまま優しい眠りに吸い込まれた。

< 48 / 280 >

この作品をシェア

pagetop