意地悪上司は私に夢中!?
月曜日の夜。

思い切って、ドキドキしながら永瀬さんに電話をした。

もし彼女と一緒だったら申し訳ないと思って、週末は避けて、さんざん迷いながら。


3コールで電話に出た永瀬さん。

『もしもし』

「もしもし。あのっ今、彼女さんと一緒ですか?」

『…は?』

「もし…家に帰ってて、彼女さん来る予定ないんだったら、
ちょっとお邪魔しちゃダメですか?」

『…いいけど』

ぶっきらぼうな言い方に少し傷ついたけど、私は準備をして永瀬さんの元へ向かった。


お風呂あがりらしい永瀬さんは、髪が濡れていていつもよりセクシーだった。

思わず目のやり場に困って、ふいっと顔をそらした。

「まあ入れ」

「…お邪魔します」

随分久しぶりにここに来たような気がする。

心地いいスプリングのソファに座って、何をしゃべればいいんだっけ、と緊張でパニックになっている頭をなんとか働かせようとする。

いつも通りイジってくださいって?

それって永瀬さんに彼女ができた今、必要あるのかな。

だって好きな子をいじめたくてやっちゃってたことなんでしょ?


どうしよう。

もっと綾乃にアドバイスを仰いでおけばよかった。



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