物理に恋して

会えない夜 〜あと3日〜

ピピピピピ…


夜中にアラームで目が覚めて、ベッドでしばらくぼーっとする。


テスト期間は朝夜が逆転するわたし。


今はそれを後悔してる。



金曜日。

テスト初日は現代文と地理で、苦手な地理もまあまあだった。



だけど。

どうして夜というのは、こうも切なさが増すのだろう…。



先生のことを考えてしまう。

思い出してしまう。



会えない時間が思いを募らせるとは、よく言ったもの。


テストが近づくにつれて募る先生への想い。


きっとテストが終わるまで募り続ける。



─ 中間テストの時はこんなことなかったのに…。



思い浮かぶのは、女の子たちの会話。



先生の話題が聞こえる度に、気になってしょうがない。



あくまで授業中の話、テスト前だけ、だなんて、余裕ぶってた自分を疑いたくなる。



自分から決めた入室規制なのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。



切ないんだろう。



ただ、わかるのは、先生のことが気になって仕方ないってこと。



中間の時よりも好きになってるってこと。
< 26 / 191 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop