神様、私を消さないで
プロローグ
車を降りると強い風が髪を躍らせた。


――キィ、キィ……。


どこからか、ブランコが揺れるような金属音が聞こえている。

前を見ると、頼りない吊り橋が左右に揺れていた。


――キィ、キィ……。


右へ左へ揺れるたびに、悲鳴をあげているよう。

吊り橋の手前には【永神村 入り口】と記してある看板があった。


「え……ここ?」


つぶやく声を谷からの風がさらってゆく。

向こう側には山があり、集落が見えた。
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