クリスマスまであと一週間に迫った週末金曜日の夜。
心臓外科医局では、毎年恒例の忘年会が開催された。


もともと大所帯の上、医局員は病院で当直勤務なんかもあるドクターばかり。
もちろん、いつも全員が集まることはない。
医局のボスである園田教授が出席できる日を優先した結果、半分も集まらないってこともあったりする。


今夜、大学からほど近い和風ダイニングの個室お座敷席に集まったのは、ほんの十五人ほど。
急な歓送迎会だとこのくらいのこともあるけれど、それにしたって、いつもと比べてかなり少ない。
と言うのも、こういう飲み会のセッティングをいつも率先して買って出る私が、今回すっかり忘れていたからだ。


「まったく、美奈ちゃん。賑やかな飲み会大好きな君にしては、珍しい大失態だね~」


向かい側の席で胡坐を掻いて座っている木山先生が、私が注いだビールをグイッと一気に飲み干した後で、ちょっと意地悪に間延びした声で言った。


「う……面目ないです……」


それを言われるととっても申し訳ない。
なんせ、気付いて準備したのがつい三日前だったのだ。
この時期、近隣のどこの会社も忘年会シーズンなのは同じで、まずは日程の選択とお店の確保に必死だった。