Re:ヴェーク 《起》

1-A

「どうしてこんな中途半端な時期に転校してきたのぉ~?」

「前はどこ住んでた?」

「部活とかやるの?」

「今日一緒にお昼食べようよ」

「校内案内するよ!」

…………

いつの間にか四時限目が終わり、ぼんやりと窓を見つめていた龍我はクラスメイトに囲まれ質問攻めにあっていた。

このクラスはたいした美男美女というのがいない感じだがかわりに、みな平均かそれよりちょっと上ぐらいだった。
が、龍我は違うらしく派手な女子が龍我の腕をもてあそびながら言ってきた。

「龍我君って、名前もカッコイイし見た目もチョーカッコイイよね~♡
スタイルも抜群だし!身長180cmぐらい?」

「185cm」

「きゃ~ やば~ 惚れる~ww」

うざったい女だなと思いながらも、笑いながら

「まじ?それ嬉しいかも。 ありがと。」

と、言った。転校早々クラスで孤立は困る。
どうやらこの女はクラスで結構影響力がありそうだから、媚びを売っといて損はない。

その様子を見ていた男子3人組がこちらにくる。

「よぉ!転校生!龍我だっけ?昼一緒に食わねぇ?」

3人の中のリーダー的な奴が話しかけてくる。
どうやらこいつは女と同じく影響力のある部類の奴らしい。
絡むならこいつか。

「サンキュ。一緒に食べようぜ。
でも、俺今日弁当とか持ってきてねぇんだよ」

「大丈夫!学食あるから。ついでに校内も案内してやるよ」

素晴らしい。トントン拍子に事が進む。こいつなかなか使い勝手がいい。

「あ、俺自己紹介まだだったわ。俺は
天峰 陽(Amamine You)
サッカー部入ってるんだ。よろしくな!」

陽は気さくに手を差し出した。
龍我は手を取りニコッと微笑む。
サッカー部に入っているせいか、肌は浅黒く日々の練習量が伺える。
身長は龍我より少し低いぐらいで、だいたい179cmあたりだろうか。
肩幅は男にしては少し狭いぐらいだが、角張った骨や締まった筋肉などが男らしさを強調していた。
顔も小さい方で、アーモンド形の目に小さな鼻。
口は大きく、真顔でも常に笑っているように見えた。
髪はザンバラで黒髪が肌とよくあってる。
手足も長めの方だし、スタイルは良いほうだ。
男女誰とも隔たり無く、気さくに接している。
誰にでも平等に優しい訳ではなく、人によりその人が最もして欲しいことを心得ているようだ。
こいつが影響力があるのもうなずける。


陽と話しながら質問攻めの輪から抜け出し、教室をあとにした。
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