極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
臆病者の戦線離脱
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翌日、昼休憩の少し前くらいだ。
カナちゃんからメッセージが入った。


『うちの店で話題沸騰、噂でもちきりなんだけど。朝比奈さんとくっついたの?』

『いきなり何』

『夕べ倉庫でふたりで作業してたらしいじゃない。それ見た子が良い雰囲気過ぎて邪魔できなかったとかいってる』

『気のせい! ってか朝比奈さん呼んだのカナちゃんでしょ!?』

『うん(笑)』


笑うな!
他人事だと思って!


カナちゃんは昼休憩の時間だったのだろうか。
早いテンポでやり取りして、私はパタンとスマホケースを閉じた。


こちらはこれからランチだけさっと食べて、外出しなければならない。
立ち上がると、向いの席から伊崎が顔を出した。


「吉住、飯いく?」

「うん。その後外出」

「俺もいこ」


彼も外出予定があったらしくて、ぱぱっとデスクの上を片付けるとビジネスバッグを手に取った。



うちの社ビルには、上階にある社員食堂の他に、一階ロビーにカフェもある。
社員食堂の方が安いし席も多いことからそっちへ行くことの方が多いけど、混みそうな時間帯だったりする場合にカフェを使ったりする。


「え……」


一歩カフェの中に足を踏み入れて、視界に飛び込んできたのは窓際のテーブル席に座るふたりだった。
咄嗟に考えたのは、今私がここを訪れたタイミングだ。


ここにしようと言ったのは私だし、伊崎に誘導されたわけではない。
今回は、だけれど。


「……なんだあれ」


隣で伊崎が思いっきり眉を顰めている。
窓辺のふたりは和やかに談笑していて、まるでカップルのようだ。


倉野さんには至っては、恥ずかしそうに口元を抑えながら頬を染めている。

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