いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
10.
土曜日、私は一日中ぼんやりと部屋の中ですごしながら、涼介との記憶を繰り返し思い出していた。


抗わずにキスを受け入れはしたけれど、どうしても心の整理がつかない私に、涼介は焦らなかった。

「時間はあるんだ。俺は諦めないし、逃げない。ゆっくり湊の気持ちを手に入れるよ」

そう言ってそれ以上は進めず、私の気持ちを待ってくれた。そして、私が落ち着くのを待って、沢山説明をしてくれたのだ。

マンションを購入したのは家の財産ではなく、彼本人の資産である事。大学生の頃からウェブデザインの仕事と株式投資をやっていた事。今は更に國井の関連企業でいくつか役員をしている事。

「本家に産まれた責任があるからさ。それを兄さんだけに押し付けてる訳にもいかないし、出来る範囲でやってるんだ。今は今度から役員を務めるホテル事業について勉強してる」
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