鬼課長と鈍感女子の攻防戦(番外編追加)
初デート


「これと、これ。あと、これも」

子どもの頃に着せ替え人形で遊ぶのが好きだったけど、まさかリアル着せ替え人形を体験することになるとは思ってもみなかった。

セレクトショップに連れてこられ、孝太郎さんは次から次へと選んだ洋服をショップの店員さんに渡し、私はあれよあれよという間にフィッティングルームに押し込まれた。

密かにフィッティングルームの中で値札を確認したら、あまりの高額にビックリ仰天してしまった。

見間違いかと思って、二度三度見直してみる。

ど、ど、どうしよう…。

確実にゼロが1個多い…。

財布と相談…。

イヤイヤイヤ、ダメだよ。

孝太郎さんが選んでくれた洋服はどれも可愛くて私好み。

でも、現実問題、現金の持ち合わせがないどころか、カードで買ったとしても赤字になること間違いない。

「着替えたなら早く出てこい」

恐る恐るフィッティングルームのドアを開けた。

孝太郎さんは腕を組んで仁王立ちで待ち構えていた。




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