美魔女オネェに拾われたなら
オフィスに来る嵐
オフィスアカリで仕事を始めて2週間。

だいぶ慣れて来たと思う。


自分が雑用するにあたって色々やってみた事はあっちゃんやさっちゃん、イチさんに喜ばれたりした。

まず、服の倉庫を働き始めた三日後から二日間掛けて整理した。
コートとか大まかに分類はされていたのだけれど、これじゃあ、アレ取ってきてとかの時すっごく時間がかかると考えた私は整理しながら写真を撮り、棚やハンガーラックを区画ごとに数字をつけそこにある品とリストをつくりリストには写真もつけて誰でも見て何がどこにあるか分かるように整理した。
それを服、バック、靴、アクセサリー類などでやったのだ。


途中からイチさんも私のやってることに気づいて、手隙の時に手伝ってくれたおかげで二日間で何とか片付いたのだ。
おかげで今週はスタイリストさんたちから感謝の言葉と視線を向けられることが増えた。

なによりこの作業のおかげでイチさんとは、仕事以外の時はいっちゃんとなっちゃんと呼び合う仲になった。

仲良しのお姉さんが増えた気分だ。


「夏美ちゃん!ごめんなさい。この服が見当たらないのよ!知らないかしら?」


そうリストを持ってイチさんが声を掛けてきた。


見せてもらうと


「あぁ、それは昨日ヴィリーナの撮影に持ち出されたやつです。一点物なのに買い取りたいとごねたモデルとの摩擦を考えて一時社長預かりになったんで倉庫から引き上げたんですよ」


そう伝えると


「あら、そうなの!あー。じゃあ、もしかしてこの貸出要望のモデルちゃんかしら」


一応あっちゃんから事の次第と一時保管の為に家に引き上げてきた物を見てるので、私はその当事者モデルの名前は聞いた。


イチさんも確認が欲しいらしく書類を見せてくれたので見ると案の定、その例のモデルさんだった。


写真集撮影の為貸出希望と記されている。
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