俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
8 今宵、セレブ社長にさらわれまして――
今日は定時で仕事を終えた。
会社ではいまだ大河と篠原さんが明日の役員会議に向けて対策を練っている。

手伝いたいと挙手したけれど、今日こそ帰れとふたりから押し切られてしまった。
篠原さんは、昨日の残業のことをまだ申し訳なく思っているみたいだし、大河からは「お前は必要ない」と容赦なく突っぱねられてしまった。おそらく、私のためを思ってのことだと思う。

今晩は大河の家へ行くと約束している。
早く帰ったなら、せめて夕飯でも作って待ってようと、途中にあるスーパーで材料を買った。

前回の親子丼は元彼との思い出料理であることを悟られ嫉妬されてしまったから、今日こそは大河にだけ振る舞うオリジナルメニューにチャレンジしようと思う。

合鍵を使って家に入り、荷物を部屋に置いたあと、買ったばかりの食材をキッチンの調理台の上に並べた。

さぁ、ひと仕事しますか。
エプロンを首からかけ、シャツの袖を捲り上げて、戦闘体勢を整える。
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