俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
5 恋の誓いは密室で
日曜日の朝。よく晴れていて、爽やかな青い空が窓一面に広がっていた。
地上三十階、この部屋の見晴らしは、本当に爽快だ。都心をまるごと征服したような気分になる。
実際、大企業の社長である大河は、この都心の一部を征服しているわけで、明日から私はその側でお手伝いをさせてもらうことになるんだ。

明日は秘書としての、初めての出勤日。

大河から今日一日は机にかじりつかず、明日の準備のために有効に使えと言われている。

「おはよう、莉依。昨日も遅くまで勉強してたみたいだけど、ちゃんと寝たんだろうな」

一足遅れてリビングにやってきた大河が、大きく腕を上に伸ばしながらキッチンに入っていく。

「大丈夫。六時間は寝てるよ」

「じゃあ、この後つきあえ。出かけるところがある」

いつものごとく、コーヒーメーカーをカチャカチャいわせながら大河が言う。

「いいけど、どこに行くの?」

「お前をまともな秘書にしてやる」

「私?」

「まぁ、見てろって」

コーヒーマグを掲げながらニヤリと含んだ笑みを浮かべる大河。
こういうときは悪いことを企んでいるのだと相場が決まっている。
なんとなく嫌な予感を胸に抱いたまま、この日の午後、私は車に乗せられ都心へと連れだされた。
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