白い虎と蝶 ~絆~

宴会
























その日の私たちはみんなで広間に集まって何かのお祝いのように騒いで、ご飯を食べた。



みんなのいる所でご飯を食べるのに慣れていない私は魁にぃとかなめの隣でご飯を食べるのがやっとだった。



でも、そのうち組員たちとも普通に話して普通に笑い合える日が……来るよね?



時間はかかるかもしれない。



それでも、私は家族のみんなと笑い合いたい。



顔も知らないお父さん、お母さん。



天国にいますか?



そっちは2人で上手くやってる?



魁にぃから仲がいいって聞いたよ。



だから、大丈夫だよね?



私の心配はしなくても大丈夫です。



1度はそっちに行こうともしたけど今はこの場所にいたいです。



この……お父さんとお母さんの思い出のあるこの場所に。



この人たちと。



私は今、幸せな気分です。




















「あの事は、まだ言い出せないけど」























「ん?なんか言ったか?」



「ううん。なんでもないよ」



周りの声にかき消された私の声は隣にいたかなめには届かなかったようだ。



よかった。



…………ごめんね。



まだ……この事は言えそうにないや。


































私の情報には乗ることのない、もうひとつの過去の事は。











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