その途端、彼は愛撫の動きを止める。

ゆっくりと胸から顔を上げ、私と視線を合わせると、ばつの悪そうな表情でため息をついた。


「信頼してくれてありがとう。とても嬉しいよ。だけど……男としては、苦しいな……」


本音を漏らして、もう一度深いため息をついた彼に、私はクスクスと笑ってしまう。

乱された服を直し、「どうかもう少しだけ辛抱してくださいませ」と微笑んだ。

うなだれる彼の頬を両手で挟み、初めて私から口付けをする。

もう少し。私たちが結ばれるのは、そんなに長い先ではないわ。

大切なその時を待つ間も、きっと幸せに違いない……。

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