寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
後日談:とびきり甘い絶対命令


「いろいろとご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」


ニューヨークから帰った私は、再びオリオンコミュニケーションズの秘書課へ戻って来た。
出社して早々、琢磨さんと沙智さんに副社長室で頭を下げる。


「本当だよ、まったく。たった数ヶ月で仕事を放り出されたら、茜ちゃんを社長秘書に推した俺だって責任を追及されかねないってことがわかってないんだからな」


琢磨さんは威厳たっぷりにのけ反った椅子で、腕組みをして私を軽く睨んだ。

なんでも、最終面接で片付けが得意だとアピールしたことで、当初の私の配属先は資料室だったそうだ。
ところが人事部長から報告を受けた琢磨さんが、たまたま私の履歴書を見て社長秘書として急きょ配置換えをしたらしい。

そう言われてしまうと、本当に肩身が狭い。


「申し訳ありません……」

「まさか琢磨さんは、水城さんが長期休暇だったってことをお忘れですか?」


彼の脇に立つ沙智さんが白々しく言う。
その助け船に救われる思いがした。

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