15歳、今この瞬間を
愛(かな)しい、ということ
「2人ともどう?はかどっているかしら?はい、おやつ」

「わぁ!ありがとうございます!」

「……」

今の流れはこうだ。

1・お母さんがおやつを持って部屋に入ってきた。

2・それに対して喜ぶ小野さん。

3・あたしはノーコメント。


日々はあっという間で、11月ももうすぐ下旬という今日、あたしは自分の部屋で小野さんと期末テストに向けて勉強をしていた。

そこへ、まだ30分も経たないというのに、お母さんがおやつを持って入ってきたのだ。

「わたしドーナツ大好きなんですー!」

喜んでいる小野さんを見て悪い気はしないけれど、ドーナツ5個って……2人でわけられないじゃん、なんで奇数なんだよ。

しかも、金曜日だから多少は遅くなっても大丈夫ということで、学校が終わってから家に来ている小野さんに、

「たくさん食べてね!なんなら晩ごはんもどうかしら」

なんて言っているお母さん……ほわほわしすぎだし。


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