15歳、今この瞬間を
このままで
「ほら、ここはさ夢希、この公式を使うんだよ。そうすると…」

「……」

土曜日の午後、あたしはなぜか菊谷くんに勉強を教わっていた。

「おいロウ、夢希は前の学校でまだ習ってなかったから仕方ないとしても、何でおまえが解けないんだよ」

「わかんないから教わってんだろ。オレはリョウみたいにできねーからさ」

隣には佐久田くん、菊谷くんにつつかれても全く気にしていない様子で、

「てか夢希の部屋、超きれいだな!」

あたしの部屋を見渡していた。

「……」

そりゃ、引っ越してきたばっかだからね、ちらかってる方がおかしいよ。

「俺の部屋もそこそこきれいだけど?ロウもたまには片付けくらいすれば(笑)?」

「うるせーな、やるよそのうち。はい勉強勉強〜」

都合の悪くなった佐久田くんは、ノートに向き直っていた。

あたしもノートに向き直ろうとした時、

「夢希ちゃん入るわよ?調子はどうかしら」

ウキウキした声のお母さんが、部屋に入ってきた。

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