天使と悪魔の攻防戦(短編集)
天使と悪魔の攻防戦
【天使と悪魔の攻防戦】




 ハロウィン、翌日。
 わたしの部屋はお菓子で溢れていた。

 お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、を合言葉に、同僚や友人たちとお菓子を交換しまくった結果がこれだ。すっかりハロウィン仕様になったお菓子の包装が可愛くて、つい買い漁ってしまったせいでもある。

 そしてハロウィンが終わり、現実に戻ってきた今。お菓子の家ならぬお菓子の部屋で思うことは、……。

「このお菓子の山、どうしよ……」

 そりゃあ食べればいい。ただし毎日お菓子を食べていたら太る。じゃあ時間をかけてちょっとずつ食べればいい。でもそんなに広くない一人暮らし用のワンルーム。ただでさえ冬に向けてこたつや電気ヒーターやブランケットを出して、部屋が少し狭くなったというのに。その部屋に長々とお菓子の山をそびえさせておきたくない。
 でもこんなに食べたら太る。絶対に太る。

 太りたくない。恋人に「付き合い始めた頃より丸くなったよな」と言われてから、地味にこっそりダイエットをしていたというのに。リバウンドはしたくない。

 でもこのお菓子の山、どうしよう……。




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