ロッカールーム
声が聞こえる
あたしは手を伸ばして木製のロッカーを開けた。


ギィと嫌な音が響き渡る。


中には何もはいっていなくて、暗く空間が広がっているだけだった。


「小夜、懐中電灯を消して」


サクに言われてあたしは電気を消した。


『ロッカールーム』の中が一瞬にして暗闇に包まれる。


旧校舎の中は時折木がキシムような音が聞こえて来る。


劣化が進んでいるからだと頭では理解していても、その音にいちいちビクビクしてしまう。


「やるよ」


あたしはそう言うと、サクと同時にスッと息を吸い込んだ。

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