ロッカールーム
詳しく調べる
楽しい時間は本当にあっという間だ。


1時間なんて一瞬で終わってしまう。


「じゃあ、またな」


消える直前お父さんはそう言って笑顔を浮かべてくれた。


『またな』


その言葉に心がフッと軽くなる。


また会うができるんだ。


そう思うと暗い気持ちにはならなかった。


「明日は母さんだな」


2人で自転車を押して帰りながら、サクがそう言った。


「そうだね。もっと沢山話がしたい。もっと、言いたいこともあるのに1時間じゃ全然足りないね」


「そうだよな。どうにか時間を延ばす方法がないかな」


そんな都合のいいことできるわけがない。


そう理解していても、期待してしまう。
< 30 / 217 >

この作品をシェア

pagetop