眠り姫に恋したのは年下御曹司

彼は御曹司

昨日は本当に飲み過ぎた。


まさかタクシーで寝落ちしてしまうなんて。


昨日の事を考えながら朝食を黙々と食べていく。



「莉乃さんとは何処で知り合ったの?」


「通勤電車。俺の一目惚れ。」


「ッ…………。」



陽平の言葉にむせってしまった。


一目惚れ?

ないない。



「陽平の一目惚れなの?分かる気がするわね。」



奥様の言葉に、ちらりと隣の陽平を見れば、じっと私を見ている目と合う。



「本当だよ。いつも眠ってる莉乃が可愛くて仕方なかった。」


「眠ってる?」



陽平の言葉に奥様が反応する。


当たり前か。



「いつも眠ってるよね、莉乃。」


「ははっ、まあ。」


「可愛いんだよ、寝顔も。」



曖昧に笑うしかない。もう恥ずかし過ぎる。


そんなに寝てるのか?


いや、寝てるか。



「お疲れなのね、莉乃さん。」


「俺の会社で働けばいいのに。」



二人の呟きに笑って誤魔化した。
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