記憶の中の記憶
第3章 違和感
賢人と一緒に暮らし初めて、半年が過ぎた。

私のリハビリも既に終わり、私は多少足を引きずるけれども、松葉杖無しで歩けるようになった。

「仕事、探さなくちゃ。」

以前働いていた、市役所の仕事は退職した。

「焦んないでさ。アルバイトから始めたら?」

「うん。そうする。」

毎朝、ここから出勤して、夕方ここに帰ってくる賢人。

まるで、新婚夫婦のようだ。


「朝ご飯、できたよ。」

今日の朝食は、フレンチトーストにした。

「おお!美味しそう。」

向かいの席に座る賢人。

美味しそうに食べてる姿を見て、頭に痛みが走る。

「痛っ!」

「大丈夫?」

賢人は直ぐ、私の心配をしてくれる。

だがこの頃、こうやって痛みが走っても、一瞬の痛みで終わる事が多かった。

「うん、大丈……」
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