【短】イノセント
イノセント


「…長野が好きだよ」



退屈だな、と思いながら迎えた放課後。


そんな時に仲のいい友達に、何時もの調子で「手伝って欲しい」と呼び出されて。


「しょうがないなぁ」


なんて、言いつつも退屈じゃなくなったことに気を良くして、ついて行った理科準備室。

その手伝いは本当に毎度のことだったから、何の問題もなく順調に彼の指示に従って作業をこなすことが出来て。
尚且つ、色んな面白い話をしてくれる彼との時間が、楽しくて仕方なかったのに。


突然…まるで挨拶でもされているかのようなノリで告げられた言葉。

あたしは、全身が沸騰するんじゃないかと、そう思った。



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