占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚
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(すごい……)



旅行から帰って来て…疲れてるはずなのに、なんだか眼が冴えて眠れなかったから、荷ほどきに取り掛かった。
行く時は小さなボストンバッグひとつだったのに、帰りは大きなスーツケースになっていて…
買ってもらった洋服をクローゼットにかけてたら、思ってたよりも数があった。
棚には、バッグや帽子も。



これ、全部私のものなんだよね?
ここにあるものは、みんな高級ブランドのもの。
今までの私には、とてもじゃないけど手が届かなかったもの…
それがこんなにたくさん…
クローゼットの中に座り込み、私は不思議な気分を感じていた。



(……あんたは、ここね。)



くまちゃんをソファーに座らせる。
少し離れて見たくまちゃんは、とても部屋に合っていた。



以前住んでた家なら、こうはいかない。
6畳と4畳半の陽の射さない薄暗い部屋。
ソファーなんてしゃれたものはなかったし、あの家には絶対に似合わなかった。



そう思ったら、なんだか寂しいような悲しいような気分になった。
似合わなくてもなんでも、ぬいぐるみのひとつくらい置いとけば良かった。
確かにお金はなかったけど、当時は、そういう心のゆとりも全くなかったな。
そんな自分自身のことが、なんだか寂しくてたまらなかった。
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