新年が明けて二週間。
桐島さんと初詣の時間が取れたのは、成人の日を含んだ連休中のことだった。

賑やかさも収まりつつある神社は、次第に静けさを取り戻しているように見える。
神聖な気持ちになるのは、新しい年を迎えたからなのか、それとも凛とした空気に包まれるせいなのか。

寒さでかじかんだ指先にハーッと息を吹きかけると、桐島さんは黙ってその手を握ってくれた。
温かい手に包まれて体温を取り戻していく指先。
見上げた桐島さんの横顔は穏やかに微笑んでいて、幸せな気持ちが溢れていく。

ふたり並んでお賽銭を投げ、鈴をカランコロンと鳴らした。

今年も一年、桐島さんのそばにいられますように……。
願いを込めて手を合わせる。


「なにを願ったんだ?」

「内緒」


もったいぶって言うと、桐島さんは鼻を鳴らして笑った。


「桐島さんは?」

「麻耶の寝相が良くなりますようにって」

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