孤独な死神

あなた達を愛してた

「なんでっ………………ずっと仲間…だっ‥…て………思ってた………のに…」

血塗れの少年は独り泣いた。どんよりと曇った空は少年の心境を表すようだった。
少年は声を押し殺して泣いた。身体はズタボロで血だらけ。

雨が降る。

ポツリ、ポツリだった雨は土砂降りになり少年の身体を蝕んだ。

少年は仰向けに倒れた状態で空を見上げた。

少年は崖から落ちた。
右足は折れ、指も数本おかしな方向に曲がってしまっている。
息を吸うのも辛そうだ。きっと肋骨が何本か折れているだろう。

少年は大量に血を流してしまっていた。
もうすぐ、死ぬのだろうか。

少年は朦朧としてきた意識の中ぼんやりとそんな事を考えた。

携帯がなった。電話だ。

激痛に蝕まれながらも電話に出た。

『もしもし、お前いまどこにいるんだっ!?』

(声が聞こえる。…君の、声が。)

「ぁ、いっま、崖っぅっ下…………」

『崖下?どういうことだよ。なぁ……………おいっ!』

(ああ。なんか…君が言ってる。けど、もう、分かんないや。ごめん、…君)

血を流しすぎた少年の意識はそこで途切れた。
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