「……誰?」


貴方と出逢ったのは、学校の屋上。


猫を被るのが上手で、素直じゃない貴方は、


「家に帰ろ」


ひとりぼっちの私に、手を差し伸べた。


***



御園冬馬(Misono Touma)

×


長谷部葵(Hasebe Aoi)



***


唯一の意味が、わからなかった。


両親の貫く、信じる“愛”がわからなかった。


女は汚い生き物だ。


そう、思い続けてきた中に現れた、女。


「バカっ!」


彼女に泣かれると、苦しくて。


「ごめん……」


……泣かせたい、訳じゃないのに。


「家以上に、大切なものなんてないと思ってた。だけど、お前は……お前だけは……っ」


何に変えても、守りたい。


こんなにも重たい世界から、逃げ出したい。


「高校卒業したら、俺と結婚してほしい」


……この言葉に偽りは、無かったんだ。


“好きだ”なんて言葉じゃ言い表せないくらい、


人を愛した。


「別れよう、葵」


泣きたいくらいの、幸せを感じていたんだ。


だから、約束を破るよ。


「最後のキスだ。葵」


尽きることのない、愛しさを遠い君に。


もう二度と、会えなくても。


思い出してもらえなくても、俺は。


お前がくれた溢れるほどの愛情を、


一生、忘れない。


***


君への愛は絶えることなく、


此の場所で、永久に輝かん。


―お前を壊す、鬼となっても。


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