メトロの中は、近過ぎです!
「おーい。明日も仕事だぞー。そろそろお開きだ」

いつものように課長が締めくくる。

やっと一人になったチーフに近づいた。

「チーフ、すみませんでした。私が余計なことを言ってしまったばっかりに…」

「佐々木~。ほんとだよ。ほんと、大変だったんだから…
もう、あんた、全然分かってないんだね」

チーフが首を傾げて私を睨むようにするけど、その頬はずっと上がりっぱなし。

「すみません…」

今日のチーフはやけに綺麗だ。

「でも…おかげで、プロポーズされたから…」

「えー!」

チーフの顔が赤くなってるのは、絶対お酒だけのせいではないと、私にも分かる。
チーフの周りだけピンク色に見える。

「まだ正式じゃないから、みんなには軽く誤魔化したけど…」

チーフ、いい奥さんになりそう。
っていうか、間違いなくかかあ天下の夫婦だ。

そんなことを言ったら、自分でもそう思う、って言いながらチーフは大笑いする。

なんか羨ましいなぁ…

少しでも幸せオーラがうつるように、チーフにくっついた。

ほんわかムードの私たちが連れだって外に出ると、そこにいたのは川端主任。
まるで待ってたみたいに笑顔でこっちを見てる。
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