残り100日の私と大好きな君
そんなある日

奏汰くんの所に誰かがお見舞いに来た。

ノックされて入ってきたのは綺麗なお姉さん。

…………その時、私は"この人が奏汰くんの好きな人なんだ"

と悟った。

案の定、奏汰くんはとても嬉しそうな顔をして、しばらく話したあと、ふたりでどこかへ出かけていった。

私は、それを見るのも聞くのも嫌で、布団に潜ってじっとしていた。

けど、微かに聞こえる楽しそうな笑い声に胸が締め付けられて苦しい。

『どうか、奏汰くんの恋が叶いませんように』

なんて最低な願いまでうかんでしまう。

でも…………

そんなことになったら、奏汰くんはきっとすごく悲しむ…

奏汰くんには笑顔でいてもらいたい……

すごく悔しいけど………………あのお姉さんと一緒に話している奏汰くんの顔は今までで一番、幸せそうだった。
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