残り100日の私と大好きな君

次の日の朝

起きたら髪の毛がごっそり抜けていた。

テレビでは見たことあったけど、本当にこんなに抜けちゃうんだ…

手で髪の毛をとくと、また手にくっつくように髪の毛が抜けていく。

まだ朝早かったから、奏汰くんに見つからないようにこっそり洗面所に行った。

そこの鏡に写った私は、髪の毛が所々しか生えていなくて、落ち武者みたいだった。

抗がん剤治療を始める時に、言われてたから覚悟はしてた。

けど、いざこの身で体験すると、なかなか酷いものだな。

こんなんじゃ、余計に奏汰くんに振り向いてもらえなくなる。

こんな惨めな姿見せられない。

昨日も酷い姿見せたのに……

私は、またこっそりとベッドに戻り、枕の上に落ちた髪の毛を全部ゴミ箱に捨てて、それから布団を頭の上まで被って、布団の中で丸くなった。

気付いたら、両目からはボロボロ涙が零れていた。
< 43 / 107 >

この作品をシェア

pagetop