残り100日の私と大好きな君














「……くらちゃん…咲楽ちゃん」

ゆっくりと重い瞼をあげる

頭がボーッとしてよく分からない…

でも、奏汰くんの声が近くで聞こえる。

だけど………………あれ、目が見えない…

「咲楽ちゃん、良かった…お疲れ様!!よく頑張ったね!!」

私の異変に気がついていないようで、奏汰くんは約束通りギュッと布団の上から抱きしめてくれる。

けど、その姿が見えない…

瞼は開いているはずなのに、まばたきも出来るのに…

「……………み……えない…」

途切れ途切れに私はそう伝える。

「え?」

「目、見えない……奏汰くん…………ど…こ………」

「…僕のことも見えない?」

コクン

「先生っ、先生呼んで来る」

「まって…………!!」

いかないで

怖い、ひとりにしないで

そう伝えようと思ったけど、走り出した奏汰くんの足音はどんどん遠ざかっていった。
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