残り100日の私と大好きな君

それから、外出は2日後に決まった。

それに合わせて、私は明日ICUを出て、普通病室に戻してもらうことになった。

二つの嬉しい知らせに、心が明るくなって、今日はいつもよりかなり調子がいい。

このまま、良くなって、治ってくれそうな……そう錯覚してしまうくらい、今日は体が楽だった。

「咲楽ちゃん、今日はニコニコだね。」

「うん、いつもより…体、楽なんだ」

「良かった。このままの調子なら、外出いっぱいできるかもね!」

ふふっと悪戯っぽく笑った奏汰くんの声は、いつもみたいに悲しそうじゃなくて、むしろ嬉しそうだった。

「海、楽しみだなあ。海のお水、冷たいかな?」

「ん~、まだ春だからね。入るには冷たすぎるけど、触る分には大丈夫じゃないかな?」

「そっか!…ふふっ、嬉しいなあ。お出かけ、できるんだ。……夢みたい。」

そう、言葉にすると同時に自分の心のどこかでは『あと一週間』その言葉が重く、のしかかる。

人生最後のワガママ。

なんだか少し、切ないな。
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