誓いのキスを何度でも
誠太郎の観察日記。その3。
10月の終わりの土曜日。

今日は授業参観日だ。
平日じゃないので、仕事をしている親の為のようなもので、
果歩とサクちゃんも一緒に来ると言っていた。

サクちゃんは最近毎日一緒にいるようになった。
一緒にテレビを見たり、お風呂に入ったり、果歩のご飯を毎日食べて僕の隣で寝ている。

サクちゃんのマンションは週末の家のようで、
僕等と一緒に移動するって感じになっている。

もう、広いサクちゃんの部屋に住んでしまえばいいと思うのに、果歩は頑なに平日は自分の部屋で生活をする。

僕は合理的でないと思うんだけど
部屋代も2つ分だし…

サクちゃんも、果歩と僕のいるところが自分がいる場所。と言って強いて、果歩に引っ越しをさせようと思っていないみたいだ。

果歩はサクちゃんと結婚する気がないのだろうか?

とてもそんな風には考えられないほど、
サクちゃんは果歩と僕にべったりなんだけどね。

僕が部屋にいる時はいつも隣にいて、何かとべたべた触ってくる。
きっと子どもといたことがないから、
小学1年生のこどもをやたらと抱きしめたり、楽しそうに頭を撫でたりってあんまりしないっていうのがわかっていないのかもしれない。

まあ、仕方ない。
お父さん1年生。なんだから…と
僕は我慢してサクちゃんの相手をしてあげている。
でも、悪い気はしないかな…
サクちゃんは僕が大好きだってことが、手に取るようにわかるから…

まあ、果歩に対してもそうなんだと思う。

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