天神学園のお忍びな面々
雪の舞う夕暮れ
「お?坊ちゃん」

蘭丸が振り向く。

放課後、天神学園、校舎裏。

夜桜を振るっていた蘭丸は、牡丹がその場から立ち去ろうとしている事に気付いた。

「何処行こうってんだ。まさか抜け駆けして、オパーイちゃん口説こうってんじゃないだろうな?」

「自転車に撥ねられてまで庇うほど、俺はあの女に入れ込んではいない」

この寒いのに前を開けた制服が、木枯らしに揺れる。

「ならば何処へ行こうというのですっ、この夕城指南役の指南が不満だというのですかっ!」

腕組みして蘭丸や椿の修練の様子を見ていたエレナに。

「ああ、不満だな」

牡丹は吐き捨てた。

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