天神学園のお忍びな面々
剣道部からの四角、否、刺客
「てぇへんだてぇへんだ!」

梅雨の少し気怠い朝の天神学園。

2年の教室でホームルームが始まる前のひと時を談笑していた牡丹、椿、リューク、レオのもとに、蘭丸が駆け寄ってきた。

この男は、大体騒々しい。

「どうしたの蘭丸。美緒ちゃんの愛称が決まった?」

「そうなんだよ、みーちゃんとかみーたんもいいけど、ここはひとつ『みぃ』とシンプルな方が、仔猫ちゃんって感じで可愛いだろ…って違ぇ!違ぇ!」

蘭丸裏手ツッコミ。

腕力が強いので、椿が痛がる。

「そうじゃねぇんだ!今、遅れてエレナが登校してきたんだけどよ!」

「今朝はエレナ殿はいなかったな。珍しく遅刻かと思っていたが」

腕組みするリューク。

「いつものドジをやらかして、遅れてきたのだろう」

フンと、牡丹が鼻を鳴らす。

「違ぇ!」

言葉が戸口でつっかえて上手く出てこないかの如く、蘭丸はもどかしそうに言った。

「エレナが男連れで登校してきた!」


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