イケメンエリート、愛に跪く
Rescue3 僕を信じてほしい



愛は迎えに来てくれた舟に連れられ、また舟の会社EOCの社長室で待たされていた。

今夜は金曜日の夜ということで舟の歓迎会があるらしい。
先ほど、金髪の美男子ジャスティンがここに来て、愛ちゃんも一緒にと誘われた。
その時に舟が近くに居なかったためどう返事していいか分からず何も言わずに微笑んでいると、ジャスティンは愛の近くまでやって来てこう言った。


「舟はどうやら一分でも一秒でも、愛ちゃんの側に居たいらしい。
でも、俺達だって舟が久しぶりに東京に来たからには一緒に飲みたいし、だから愛ちゃんに同行してもらおうと思って…」


愛は舟の様子に少しだけ笑ってしまった。
小さい頃と何も変わっていない。


「あ、はい…
でも、舟君が何て言うか…」


「舟君??」


ジャスティンは愛のお姉さま的舟の呼び方に思わず反応した。


「あ、子供の頃にそう呼んでたから、つい…」


ジャスティンは右手の親指に自分の顎にのせ、納得した顔でうんうん頷く。


「今ので舟の気持ちがすごく分かった。
こんな綺麗なお姉さまに舟君?なんて呼ばれたら、俺でも愛ちゃんに惚れちゃう。
そっか… そういう事か」


ジャスティンはそう言って愛を笑わせた。
そんな二人は、いつの間にか社長室のドアの前に立っている舟に何も気付いていない。



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