君の指先が囁いてる
自立
茜と付き合い出した俺は自立に目覚めた

一人暮らしをする事にした


茜は心配と言うけど説得させた


俺の小説がヒットした


けど....


それは皮肉なもんだった


視力を失った小説家としてヒットしてしまった


世間なんて、そんなもんだ



悔しい....


けど....



事実だから俺は何も言えなかった


食べていけるだけの収入はある


俺は自立して茜を食べさせて行く力をつけたいと思い必死だった



茜は、センターの帰りに毎日アパートに来てくれた


俺は自分の事は自分で出来る


自分で出来る事は自分で、やるから茜は一切、手を出さない



俺達の付き合いも順調だ


『翼、私、翼の事を親に話したの、影でコソコソしたくなかったから....』


茜の声のトーンが変わったように聞こえた


『茜、反対されたんだろう?』


『....
必ず説得するから』

『茜の気持ちは嬉しいけど親の気持ちも俺には分かるから』


『翼....
私、翼と別れる気は無いから』


嬉しいけど俺は何も言えなかった....


茜は....


『私、翼と結婚するから』


と言いながら部屋を出て行った


俺は...???


茜....


いきなり茜からプロポーズかよ???


俺は自立して茜の親に認めてもらう決心をした



茜....
俺、頑張るよ


いつかは通る道...


茜の親の事....



思ったより早く来たようだ







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