ワンコ系Drの熱烈アプローチ
憧れの二人



コンビニのビニール袋を手に、従業員専用出入り口に続く階段を駆け上がる。

少し長めのスカート白衣に、ピンクのエプロン。

昼休みの買い物は、着替えずそのまま出かけてしまう。

歯科助手の仕事をし始めた頃は白衣を着た自分になかなか慣れなかったけど、今となっては馴染んだ仕事のユニフォームとなった。

私――下村弥生(しもむらやよい)は、高校を卒業してすぐ、この『東條歯科医院』に就職した。

医療系の専門職で長く続くか心配だったけど、なんだかんだでもう四年の月日が流れている。


「浅木さんが戻ってきてくれて、うちも安泰ですね!」


控え室に戻ると、お弁当を前に箸を手にした優ちゃんが弾んだ声でそんなことを言っていた。

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