契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

昼休みの医局で、白衣姿の菊川先生を見つけた。

背が高くスタイルがいいから、院内にいても目立つ。

一昨日は髪をおろしていたけど、今日は一つに束ねていて、その姿はとても知的で凛々しく見える。

ぼんやり見惚れていたら目が合ってしまった。

「あら、風間さん」

「お、お疲れ様です」

動揺して声がうわずる。


「あ、仕事上では風間さんじゃなくて相沢さんなのね。
ごめんなさいね」

「いえ」

やっぱり菊川先生はとてもやさしそうな人で、悠さんにあんなことを言う人には見えない。

「そうだ、相沢さん。売店に行きたいんだけど、どの辺りにあるか教えてくれる？」

「あ、でしたら私も…売店に寄ろうと思ってたので」

流れとは言え、一緒に売店に向かうことになった私たち。

先生は固くなっている私を気遣ってくれているのか、とても気さくに話題を振ってくれる。