契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
ほんの小さな出来事だ。

だけど、それは俺が医者になろうと思い始めるきっかけになった。

彼女はもちろん覚えていないようだったけど、彼女の『将来の夢』がちゃんと叶っていたこと、同じ病院で働いているという奇跡。

驚くと同時にとても嬉しかった。

恋愛感情を抱いたわけじゃないけど、それ以来彼女のことはなんとなく気にしていた。


根津の言った通り、彼女は患者の食事について時々聞きに来た。

とにかく仕事熱心なんだと、患者思いなんだと、それが伝わってきたから、彼女を邪険に扱う医師の気が知れなかった。


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