契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
夏になって、彼女はNSTのチームメンバーになった。

たまたま2人きりになった時に何気なく言ったんだ。

「君は本当に仕事熱心だな」

そしたら彼女は誇らしげに笑った。

「私、この仕事が好きなんです」

あの時、俺の背中に小さな身体を預けて泣いていた彼女は、こんなに強く、大人になっていた。


それからずっと、彼女が食事の相談に来るたびに、NSTで会うたびに、嬉しくなる自分がいた。

それだけでじゅうぶんだった。

彼女は決して俺のことをそういう対象で見ていないし、俺もこの淡い思いを抱えているだけでよかったんだ。

まるで中学生の片思いみたいに、ひっそりと。


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