契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「ーーはい。じゃ他に何かなければNSTカンファレンスは終了にしましょう」

静まり返っていた会議室内が一気にリラックスムードになって、みんな雑談をしながら書類を片づけ、部屋を出て行く。

私もふうっと小さくため息を漏らしながら、書類を重ねてデスクの上でポンポンとたたいて揃える。

「だいぶ慣れてきたじゃない」

私の背中を突っつき耳元に顔を寄せたのは、看護師の市川さん。

高校生のお子さんがいるベテランナースだ。

「堂々たる発表だったわよ」

「いやあ…まだ全然です」

謙遜しつつも、褒めてくれたことが素直に嬉しくて市川さんが出て行ったあともニヤニヤが止まらない。

頑張ってまとめた甲斐があったな。


ここは市内で一番大きな総合病院。

地域医療支援病院に指定されているところだ。

私は管理栄養士として働き出して6年目になる。

この夏から、私は初めてNSTチームメンバーに加わっている。



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