契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
「風間先生のところに連れて行って」

「えっ?」

あまりにも唐突な言葉に、私の頭はパニックに陥った。

誰、この人…?

悠さんの知り合い?

「風間先生は私のものなの! 部屋へ連れていって」

小さな体のどこからこんな力が出てくるのかと思うくらいに、勢いよく私の肩を揺らす。

なんだか危険な匂いしかしない。

「…私は風間先生って言う人を知らないです」

咄嗟に出まかせを言うと、彼女は「くそっ」と呟いて右手の親指の爪を噛み始めた。

背筋がぞっとする。

完全に不審者…もっと言えばストーカーだと思った。

オートロックに一緒に入ってこられたら大変だと思って、彼女がマンションを睨み上げている隙に病院へと走った。
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