契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
駅前の通りには居酒屋がたくさん立ち並んでいる。

通りはすでに会社帰りのサラリーマンやOLで賑わっていた。

「課長、無茶ぶりですよ!
こんなに急で個室の予約取れる店、探すの大変だったんですよ?」

「あははっごめんごめん」

課長は北川の訴えに他人事のように笑って手を合わせた。


栄養課6人全員集まって、まずは課長が立ち上がり、挨拶。

「まずは皆さん、お仕事お疲れ様です。
それと、遅くなったけど、相沢さん、結婚おめでとう。
ということでカンパーイ!」

ジョッキをぶつけ合って、仕事の疲れを冷たいビールで洗い流す。

喉を潤したところで、さっそくお料理のチェックが始まる。

「これおいしいわね。何でできてるのかしら」

「彩りもきれいですよねえ。病院食で出せないかな」

こういう場で料理の品定めをしてしまうのは、私だけじゃなく、栄養課全員の職業病だ。



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