いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~
第1章

自分史上最高の衝撃



彼が現れた時、私は自分の目を疑った。

儚さ漂う穏やかな笑顔は、昔と変わらず魅力的で。

そう、変わらない。

だからなのか、久しぶり過ぎて現実味がなかった。

けれど、彼の名を、その形の良い唇から告げられてようやくリアルなのだと我に返る。


「会いたかったよ、沙優(さゆ)ちゃん」


甘く微笑んだ彼、いち君は、私の幼馴染。

ただし、中学三年の時に疎遠になったので、会うのは十二年振りだ。

なのに、彼は言った。


「沙優ちゃん、俺と結婚してほしいんだ」


私は生まれて初めて、開いた口が塞がらないというのを体験したのだった。



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