いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~

吐き出して、潤って



『いきなりだけど、今夜会えるかな?』


日曜日の昼前。

ダイニングの椅子に座り、以前友人からもらった紅茶をアイスティーにして飲んでいたら、いち君から電話がかかってきた。

どうしたのかと問えば、どうやら昨日の件らしい。

昨夜私と別れたあと、美波ちゃんから、父親のことを勝手に話してしまったと謝罪があり、一応自分の口からも話しておきたいのだと言われたのだ。

特に用事もなかったので、私は了承し通話を切った。

午後五半に迎えに行くと言われ、支度をして待っていれば迎えにきたのはいち君の愛車ではなく、黒いリムジン。

リムジンと同じ色のスーツと白い手袋を着用した運転手さんが降りてきて、スマートに後部座席のドアを開けると、高級そうな革のシートにシンプルな白のカットソーを着たいち君が微笑んで座っていた。


< 147 / 252 >

この作品をシェア

pagetop