借金のカタなのに溺愛されてます?


寝室に入ると

すぐに抱き上げられて
ベッドへ降ろされた

そのまま組み敷かれた身体を
捩って逃げようとするのに


「拒否権があると思うのか?」


耳に届いたのは低い声で・・・


それだけで肩が震え身体から力が抜け

待っていたかのように掴まれた手が緩んだ


「陽菜、俺は物分りが悪い女は好きじゃない
 それと・・・」


「ごめんなさい」


これ以上聞きたくなくて
被せるように謝った

クルリと身体は反転させられ

ワンピースのファスナーが引かれ
スルスルと肌が露わになる



「身体は正直だよな」



少しの痛みを伴うものの
慣らされた身体は心より先に反応を見せるけれど


与えられる全てはまだ強すぎる刺激で
ただ時間が過ぎてくれるのを待つしかなかった





ドンドンドンドン


「碧斗!」


突然聞こえたのは
激しくドアを叩く音


サッと手に触れたシーツを被ると


「なんだ」

少し機嫌の悪そうな声が聞こえて

それと同時に
リモコンを操作したのか
ピピッと電子音が鳴り
ドアが開錠された



「お楽しみのところ悪いが
 姐さんが至急碧斗に取り次げって」



部屋の扉を開けた一平さんの声が
少し上擦っていた


暫く動かない碧斗さんは


「チッ、風呂に入ってるから
 1時間で行くとでも伝えておけ」



何かを諦めたのか
吐き捨てるように口にした



「早めにね~」



一平さんの軽い声だけが耳に残った

















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