浅葱色の魁






「伊東大蔵先生を新選組に迎えよう!!!」






この日、幹部会議で話し合われた事

池田屋以来、仕事が増え
人手不足に悩まされている
これを解消するために
江戸へ隊士募集に行くことになった

しかし、闇雲に行っても時間が掛かるため
有力な人物を新選組に招き 
人物を慕う者を引き入れる作戦になった




「平助君は、伊東先生と面識があったね?」


「……あ、うん」


「よし!では、平助!取り次ぎを頼む!!」


「……はい」


「平助、何か気になるのか?」


平助の様子を土方が、心配する




「あ、いや……伊東先生も攘夷派だから」


「そうか…」


「そんな事、平助を見ていれば、心配ない!
志は、違えども成すべきことは
変わらないはずだよ!心配ないさ!」




幹部会議が終わり


平助は、1人井戸まで行き
顔をザブザブと洗う



〝呪いだ…伊東先生には
二度と会いたくなかった〟




ふらふらと縁側に座る


ズキン



頭痛に目をぎゅっと閉じる

左手で額を抱える


〝会いたくない
女だと、バラされたら……〟



ドクン ドクン ……



心臓が大きく早く音を立てる



頭の中で、初めて襲われた時に見た
伊東の顔が浮かぶ


息苦しさを感じ


カタカタと体が震える




〝嫌だ… 嫌だ… 怖い…会いたくない〟











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